La vie de Ballet ~レッスンから学ぶバレエ事典〜

バレエのレッスン中に教えて頂いた事、感じた事、発見した事、バレエ作品の歴史やあらすじ、バレエのパに関する事、筋肉の使い方などなど、バレエに触れる中で気づいたことを忘れないように書き留めています。

パ・ダクシオンの意味と役柄

ラ・バヤデールの婚礼の場面で出てくるパ・ダクシオン。
良く聞く言葉ですが、意味や役柄などがわからないので調べてみました。

パ・ダクシオン
pas d'action

バレエ用語。演技の踊り。
物語を展開させるために,踊りと踊りの間にはさまれた劇的な情景場面で演じられる黙劇的な演技のこと。古典バレエではこの形式が明白で,踊りを見せる部分とパントマイムで物語を進行させる部分とが分離されていた。 20世紀以降,M.フォーキンらの活躍で発展した近代バレエでは,パ・ダクシオンが独立してあるのではなく,マイムと踊りとは完全に一体化されたものとなった。

こちらはチャコットのバレエ・舞台用語のサイトからです。
https://www.chacott-jp.com/news/useful/glossary/detail002818.html
一言でいえば「ストーリーのある踊り、演技の踊り」のこと。
物語のある舞踊劇のバレエ作品の核となる部分とも言えるかもしれません。踊りの技術を競うように見せるグラン・パ・ド・ドゥや異国情緒を醸し出すキャラクテールダンスがなくなれば、作品に彩りがなくなって少々寂しいかもしれませんが作品の筋は変わらないでしょう。でも、パ・ダクションがなくなってしまったら、物語がつながりません。作品に血が通わず魂が消えたも同じこと。主役を踊るバレリーナ、男性ダンサーたちは技術的にも演技力も高いレベルが要求されるわけですね。

パ・ダクション、たとえば、『白鳥の湖』で言えば第2幕のオデットと王子の「愛のデュエット」。オデットにすっかり心を奪われた王子は常にオデットを見つめ、彼女に真心を伝える。それを受けるオデットは喜び愛に身をゆだねたい気持ちと、二人の愛の行く先を不安に思う気持ちとで揺れ動くさまが描かれます。
また、『眠れる森の美女』では二つのパ・ダクションがあります。一つは第1幕オーロラ姫の登場、求愛する王子たちと踊っても「ローズ・アダージョ」とオーロラのヴァリエーションで、多くの人に愛され賛辞を送られようと誰か一人の愛を受け入れることはないオーロラの乙女らしさが。
もう一つは第2幕、百年の眠りにつく間、リラの精が王子に幻想のオーロラを引き合わせ、本物の王女に逢わせてほしいと懇願する王子とオーロラの出会いを描きます。

バレエは言わずもがな、言葉に頼ることなく物語を紡ぐ芸術です。台本を、音楽と演劇のセリフに相当するマイムと踊り、つまり体の動きを通してお客様に伝えなくてはなりません。これを大変なことと取るか幸せなことと取るか。本当に感動したときは「言葉にならない」という私たちですから、心の動きは言葉の表現に限定されず上回るのだと思うのは強引でしょうか。内面で熟成された心が手や足の動きを通して劇場全体に広がる瞬間は、美しいセリフを耳にするときよりも強く胸の奥に響くことがあると私は思います。

Oxford ダンス事典によると
クラシックバレエで、アントレ、アダージオ、ヴァリエーション、コーダから構成される。ソリストの踊りも群舞も含み、しばしば劇的な情景を表現する。

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パ・ダクシオン。
整理すると、

① 演技によって物語を進行させる踊り。
② アントレ、アダージオ、ヴァリエーション、コーダから成る、ソリストとコール・ド・バレエで構成されるアンサンブル。

白鳥の湖の湖畔の場で、オデットと王子が出会い、オデットが身の上を王子に語る場面。
ラ・バヤデール第2幕婚礼の場で、ガムザッティ、ソロルと4人のアンサンブルが踊る場面。

などが例として挙げられるようです。
物語を進行させる場面の踊り。

資料が少なくてここまでしか調べきれませんでしたが、一言でいうと、物語を進行させる場面の踊り、ということになるのでしょうか。
もう少し掘り下げてみて、また新たなことがわかったら追記したいと思います。